スイミーというお話を知っていますか?
レオレオニ(レオ・レオーニ)という人が書いた絵本です。
小学校2年生の国語の教科書に30年以上前から採用されているので、記憶にある方もたくさんいると思います。
先日、たまたまレオレオニ展に行きまして、彼の絵本の内容にとても感激したので、紹介します。
みんなのレオ・レオーニ展って?
「みんなのレオ・レオーニ展」は全国を巡回していて現在(2019/8)は、東京会場の損保ジャパン日本興亜美術館にて開催中です。
開催期間は、2019年7月13日〜9月29日です。
今後は、鹿児島、沖縄と巡回する予定のようです。
この展覧会の見どころは、原画を見ながら、実際にレオレオニの絵本が読めるところにあります。
会場の色々なところに絵本と椅子が置いてあって、原画を見てから、絵本を読んで、また原画を見て、、、というまわり方ができます。
レオレオニの絵本を全然知らない人でも、大人であれば、数分で読めますから、とても楽しめます。
損保ジャパン日本興亜美術館といえば、ゴッホの「ひまわり」もこのチケットで見られるので、お得ですよ。
www.asahi.com
レオレオニとはどんな人か?
レオレオニはオランダ出身ですが、身の回りの変化や戦争によって、イタリアからアメリカに亡命をしています。
そして最後は、イタリアでその生涯を閉じています。
ユダヤ人の裕福な家庭の恵まれた環境に生まれました。
さまざまな理由により、海外を転々とする日々を送っていました。
アメリカでグラフィックデザイナーとして成功を収めつつ、孫のために、「あおくんときいろちゃん」を執筆し、絵本作家となった方です。
レオ・レオーニ展で知ることができるレオレオニの絵本の世界
展示会のみどころは、原画の緻密さと、絵本の内容です。
原画は丁寧に作られていて、色も絵も癒される
レオレオニの絵本はとにかく、絵が可愛いです。
原画を見ると、実は切り絵だったんだ!という発見も。
細かいところまで書き込まれている植物の絵も、見ていてため息が出てしまうほどでした。
わかりやすい絵ではありますが、表情がとっても豊か。
ネズミがよく出てくるのですが、コロコロと表情が変わっていくのも楽しいです。
原画を見ているだけでもそれは十分わかります。
絵と本の内容のギャップもすごい
実際に絵本を読んでみると、そのギャップに驚かされます。
全編ひらがなで、文字数は多すぎず、少なすぎずですが、内容が、哲学的だったり、政治的だったり。
でも子供には、そこまで重くならないように描いてあるんです。
なので、子供も楽しくよめて、大人は読み終わると、いろいろなことを考えさせられると思います。
こんなに可愛いのに、そんな深いことをいうの!?とびっくりすることがたくさんありました。
スイミーの原画の謎にわくわくしちゃう
公式サイトにもありますが、スイミーの原画も見どころの一つです。
なんと、出版された絵本と原画が全く違うんです。
その理由はいまだにわからないそうです。
色味も、細かい模様までも異なるので、見比べて楽しんでください。
スイミーを初めて聞いた方のために、あらすじを少し紹介します。
スイミーのあらすじ
赤い魚のきょうだいのなかに、自分だけ黒い色で生まれたスイミー。
きょうだいはみんな、マグロにたべられてひとりぼっちになってしまいます。
ひとりぼっちのスイミーは、海を旅していろんな生き物に出会う中で、死んでしまったきょうだいと同じ赤い色の魚に出会います。
岩陰に暮らす赤い色の魚たちと遊びたくて、スイミーは誘うのですが「マグロに食べられたくない」と断られてしまう。
そこでスイミーは、赤い魚がみんなで泳いで大きな魚のふりをしようと
さそい、黒い魚の自分が目になることを提案するのです。
みんなで赤い大きな魚のふりをして、大きなマグロを追い払うことができて、みんなで楽しく泳げるようになるというお話です。
読む人によって、いろいろな感想があると思います。
私は小さい時にこのお話を読んで、「力を合わせることの大切さ」を学んだような気がするのですが、大人になると、どんな個性でも活かせる場所があるんだなぁとしみじみ思ってしまいました。
レオレオニは魅力的な絵本がたくさん
スイミーの他にも、興味深い絵本がたくさんありました。
幼い頃、読んでもらったような、なかったような、思い出しながら読んでみるのも面白いです。
内容を読んだときの発見が楽しかったりするので、あらすじは1行だけにしています。
10冊ほど読んだのですが、その中でもまた読みたいと思った3冊を紹介します。
アレクサンダとぜんまいねずみーともだちをみつけたねずみのはなしー
ねずみのアレクサンダとおもちゃのぜんまいねずみが出会って、ともだちになるお話。
チコときんいろのつばさ
羽のない鳥、チコがきんいろのつばさを手に入れるお話。
わたしはこれが一番好きです。
フレデリック
まわりのねずみが冬支度でいそがしいなか、言葉と光をひたすらフレデリックのお話。
最後に
大人になると、小説や雑誌ばかりで絵本って読まなくなります。
でも、大人になっても、短い文章で感動したり、癒されたりすることって、とてもいいことだなと思ったので、紹介しました。
近くで、「みんなのレオ・レオーニ展」が開催されている方も、されていない方も、ぜひ読んでみてください。
グッときます!